関西の沖釣り名人 今井浩次の「今日も釣り気分」

　徳島県鳴門市堂浦。2号屋形でサヨリを狙っていました。北西の風が強く、真冬並みの寒気です。仕掛けが軽いので風に向かっては釣れませんが、サヨリはマキエに集まって来るので、釣りやすい場所に自分のポイントを作ればいいのです。

　米ぬかに少量のアミエビを混ぜたマキエをせっせと撒き続けました。水面が穏やかならあちこちに波紋ができてサヨリが寄ってきたのがわかるのですが、波立っているのでサヨリも深く静かに潜行しているようです。ころあいよしと竿を出しましたが、いきなりのアタリで上がってきたのは15ｃｍほどのウルメイワシでした。それからしばらくは、イワシが入れ食いです。これがマイワシならうれしいんですが、ウルメではね～え、と釣り上げるたびに海へ帰してあげます。

30cm級のサヨリです

　イワシとの格闘が30分近く続いたでしょうか、ウキ下を少し浅くして沖を狙うと、ようやくサヨリが釣れだしました。船長が「ほかの屋形は新子が多いから」と2号に渡してくれたのですが、その言葉通り30ｃｍを超える良型が交じります。ただ、それも一時でした。新子が釣れ始めると、新子ばかりになります。それをしばらく我慢して釣り続けていると、また型がよくなるのです。

　最後までこれの繰り返しで、新子はハリを呑まれたもの以外はすべて放流しましたが、それでもクーラーの中には６０匹近いサヨリが折り重なっておりました。久しぶりに竿を出した家内も、納得の釣果だったようです。