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関西の沖釣り名人 今井浩次の「今日も釣り気分」

こだわりの酒「風の森」

  • 江戸時代にタイムスリップしたような、古い街並みの中に油長酒造はあります

    江戸時代にタイムスリップしたような、古い街並みの中に油長酒造はあります

  • 社名が入った銘板です

    社名が入った銘板です

  • こんな薦かぶりが並べてありました

    こんな薦かぶりが並べてありました

  • 僕が飲んだ「風の森」露葉風 純米しぼり華です

    僕が飲んだ「風の森」露葉風 純米しぼり華です

 すべて純米酒
 すべて無ろ過
 すべて無加水
 すべて生酒
 
 そんなこだわりを持ったお酒を造り続けている酒蔵が、奈良県の御所市にあると聞いて出かけてみました。
 古い屋並みが残る御所市の中心地、中本町にその蔵はありました。
 油長と書いて、ゆうちょうと読みますが、油長酒造が、その蔵です。あいにく土曜日だったので、会社はお休みでしたが、近くの酒屋さんで話を聞くことができました。

 風の森は、庶民が日常的に飲める値段で、いくら飲んでも飲み飽きない酒を造りたい、という思いから生まれたそうです。ですからコストを抑えるために特別な酒米は使わず、地元で昔から普通に食べてきた飯米、アキツホを使って仕込んだのが最初なんだそうです。
 
 さらなるこだわりは、製造工程にありました。仕込み水は、地下100mからくみ上げている葛城山系の伏流水。お酒はろ過や加熱、加水したりすると、品質は安定するのですが同時にうまみ成分も取れてしまうので、米のうまみがそのまま感じられるお酒にはならないそうです。
 ゆえに油長酒造のお酒は、すべて米だけで仕込み、無ろ過、無加水、しぼったそのまんまの生酒にこだわっているのです。

 帰路、「風の森」 露葉風 純米しぼり華を1本、買って帰りました。奈良県産の酒米を使った純米酒です。
 その夜、揚げ物を食べながらよく冷やした風の森を飲んでみました。口に含むと爽やかだがふくらみのある広がり方をします。のどの奥へ流し込むと、切れがいいのに油ものの味に負けないしっかりした味をしていました。
 もっと驚いたのは、精米歩合が70%なのに、まるで吟醸酒のような雑味を感じさせない仕上がりでした。
 ただ、地元に人に飲んでもらいたいと県内の小売店優先で卸しているため、手に入りにくいのが難点です。