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関西の沖釣り名人 今井浩次の「今日も釣り気分」

旬を食らう

 関西では、キジハタのことをアコウと呼びます。島根県ではアカミズ、福岡県ではアオナ、鹿児島県ではアズキハタとかアカラと呼ばれています。
 標準和名であるキジハタは、雉子羽太と書きます。キジのような文様を持つハタという意味ですね。
 アコウは、関西で特に珍重される夏が旬の魚です。ですからアコウの薄造りを”夏のフグ”と称して供してくれるお店もあります。
 台湾や香港では、石斑魚と呼ばれ、海鮮料理の中でも最も高級な清蒸、いわゆるスチームと呼ばれる料理法に用いられる魚です。
 そのアコウを丹後半島の網野沖で釣って帰りました。身はもちろん薄造りにしたのですが、残ったあらを牛蒡と一緒にあら煮にしました。
 やや濃いめの味付けで、煮汁を掛けながらテリが出るまで煮てからいただきましたが、筋肉質の白身魚にほどよく煮汁が染みてほくほくの歯ごたえ。おまけに白いご飯とのマッチングが最高で、何杯もお代わりできるほどでした。
 特に〜い、しゃきしゃきというべきか、じょきじょきといった方がいいのかよく分からないけれど、ほっぺの肉が口の中で小躍りしていましたよ。