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関西の沖釣り名人 今井浩次の「今日も釣り気分」

灰干しサンマって、知ってました?

 「和歌山市の雑賀崎に美味しいサンマがあるの知ってはりますか?」
 淡路島の郡家へキス釣りに出かけたとき、常連のNさんに、そう聞かれたので、僕はてっきり紀州で獲れる小型のサンマの丸干しのことだと思っていました。
 サンマの丸干しは、ご存知ですよね。紀伊半島の南岸で獲れる脂気の少ない小型のサンマを目刺しのように丸まま干し上げた奴ですね。紀州のサンマと言えば、そんなイメージしかなかったのです。
 ところがよく話を聞いてみると、サンマの丸干しではないのです。北海道の道東沖で獲れたサンマを独特の製法で干物にした灰干しサンマなのです。
 それが紀州の雑賀崎で作られているところに意表を突かれましたね。
 灰干しサンマは、素材を酸化させないよう独自に工夫された灰干し乾燥製法で作られており、高い鮮度を保ったまま魚が持つ旨みを閉じ込めてあるそうです。
 「間違いなく美味しいから、一度送ってあげるよ」
 そう言って別れたNさんから、数日後に灰干しサンマが届きました。
 パンフレットには、鮮度がいいので焼かずに酢で締めても、そのまま頂けます、とある。
 でも、干物だから焼いた方がきっと美味しいだろうと、焼いていただきました。
 Nさんの言葉通り、間違いなく美味しい干物でした。
 ほどよい塩加減。 
 ほどよい身の締まり。
 ほどよい脂の乗りよう。
 と、ほどよいのが3つもそろいました。
 この灰干しサンマは、和歌山市雑賀崎の西出水産(☎073・445・6282)で製造、販売されています。食いしん坊の方はどうぞ♫。