釣りあげられた魚を見たとき、「おっ、ハナミノカサゴだ」と思いました。ところがよく見ると、背びれ、臀びれ、尾びれの軟条に黒色斑がありません。
それで、この魚がミノカサゴだと分かったのです。
ミノカサゴとハナミノカサゴとは、とてもよく似た魚です。見分ける方法は、胸部に縞模様があって、背びれ、臀びれ、尾びれの軟条に黒色斑があればハナミノカサゴなのです。
カサゴ亜目フサカサゴ科ミノカサゴ属の魚で北海道の南部以南の岩礁域に生息しています。英名のライオンフィッシュは、大きな背びれと胸びれを広げたところがりっぱなたてがみを持つライオンのように見えたのでしょうね。
この魚を花魁に例えた人がいますが、言われてみればそんな雰囲気をもった魚ですよね。広島県では、ナヌカバシリ(七日走り)と呼びますが、この魚に刺されたとき、痛みに耐えかねて七日間走り回るからだそうです。(爆)
見かけは花魁のように奇麗で、優雅な魚ですが、背びれや胸びれに毒をもっている大変危険な魚なのです。
さて、この大変きれいな魚は、今回、食べられることなく私めが所属しているアート魚拓・游水の主宰者、谷口岬人先生に引き取られ、魚拓として甦ることになりました。どんな作品になるのか、今から楽しみです。
釣りあげた魚が美味しいのかどうか、釣り人としては大変気になるところですよね。
で、ミノカサゴは美味しいのかどうか、調べてみました。
WEB魚図鑑の味の評価は、★★★★(5段階評価)でかなり高得点です。刺身にした後の頭と中骨は、澄まし汁にすると絶品とか、味は薄いが魚臭さがないので食べやすいとか、カサゴに似た味、しかし味が薄くカサゴより落ちる、などのコメントが寄せられています。
そこで、僕が敬愛するぼうずコンニャク氏の「市場魚貝類図鑑」でも調べてみました。
すると
カサゴの仲間では、最も味わいに欠けるものである。刺身でも食べられるが皮目を焼くとかの工夫が必要。一番うまいのは唐揚げ、とありました。
味の評価は難しいのですが、どうも甲乙つけがたいようですね。