かつて、大学の落ち研にいたという人から、この人の落語は面白いですよ、と紹介されたのが笑福亭福笑さんでした。
それから数カ月後、動物園前にある動楽亭に出かけたとき、初めて福笑さんの落語を聞いて、いっぺんにファンになってしまいました。新作が得意な福笑さんの落語は、アクションも派手で晩年の桂枝雀の落語を彷彿させるものがありました。
この日、トリで登場した福笑さんの演目は、「宿屋ばばぁ」。客との応対で這って出てくるような101歳のやりてばばぁが、突然「うそぴょ〜ん」と言って驚かせたりで、絶えず会場が爆笑の渦でした。
この日、開口一番で登場した笑福亭たまさんは、福笑さんの弟子です。たまさんも僕は大好きで、あちこちで活躍しておられるから、何度も落語会でお目に掛かっているのですが、この日の演目は、古典の「崇禅寺馬場」。追い剥ぎの噺なんですが開口一番で登場したせいか、後半にちょっとはしょり過ぎて噺に味が出なかったのが残念でした。たまさんのショート落語も面白いですよ。
この日は福笑さんとたまさんのほかに
桂かい枝 「オトナの試験」。つかみは、英語落語のさわりを…。
桂 雀々 「ガマの油」。相変わらず忙しくて騒々しい落語でした。
笑福亭銀瓶 「千早振る」。じっくり古典を聞かせてくれました。