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関西の沖釣り名人 今井浩次の「今日も釣り気分」

アテ外れの鳥貝

 泉佐野へタチウオ釣りに出かけたとき、泉佐野漁港にある青空市場へ寄るのが楽しみです。お目当ては、シャコやトビアラと呼ばれる海エビですが、時として珍しいものが手に入ることがあります。今回は、鳥貝でした。
 漕ぎと呼ばれる底引き網漁の船が帰って来るのが大体午後2時ごろ。セリは午後2時半から始まるので、それにあわせて帰港してくるのです。
 そんな漕ぎの船を待ちながら市場をぶらぶらしていると、珍しい人にお会いしました。先日、京セラドーム大阪で開かれた船釣りフェスタのイベントでご一緒した大阪府水産総合研究所の主任研究員、鍋島靖信さんです。泉佐野へは、毎月1回、市場調査に来られているとか。
 僕が目ざとく見つけた鳥貝の話を聞いてみると、今年は、紀伊水道から大阪湾に比較的冷たい底潮が入ったために鳥貝が生き残ったのだそうです。鳥貝の寿命は1年で、夏場の高水温に耐えきれずほとんど死んでしまうそうですが、先にあげた理由で生き残ったため秋の今時期に取れているのだそうです。
 セリが終わった直後、青空市場に鳥貝が並びました。ざるに20個近く入って300円。こりゃぁ安いと、僕は飛びつきました。
 鳥貝は、食用にする足の部分が鳥のくちばしに似ているところから、こんな呼び名がついたそうです。この黒い足は真水に当てたり、強くこすると剥げてしまうので、丁寧に裁かないとダメという、ずいぶん手の掛かる食べ物ですが、普段はボイルしたものしか食べられないので、何とか刺身にしようと頑張ったのです。
 でも、ダメでした。食べ物みな然り、旬を外すとダメですね。身は小さく、身は薄く、甘みもさほど強くなくて、わざわざ刺身で食べるほどではなかったので、3切れほど食べて、さっとボイルしてしまいました。
 次回は、春に取れたものをと思うのですが、毎年、貝毒が出ていい時期に出回らないことが多いのです。残念。