「タチウオの魚拓を取りたいんですが、新しい魚を手に入れる方法はないですか?」
僕が顧問を仰せつかっているアート魚拓游水の主宰者、谷口岬人先生からそんな相談を受けたのが10月の初めでした。
新聞の釣況欄を見るとまだよくタチウオが釣れています。そこで「先生がご自分で釣って、それを魚拓にしはったらどうですか」と水を向けると、「そら、ええな」ということになって魚拓仲間と一緒に湯浅湾へと繰り出したのでした。
先生曰く、タチウオは鮮度が落ちると銀箔がはがれてうまく魚拓が取れないそうです。だから釣り物でないとダメなんだと聞きました。
さて、湯浅湾口に錨を下ろし釣り始めたのですが、なぜかベルトサイズばかり。これぐらいのサイズなら波止でも釣れるなとぼやきながらのスタートとなりました。
先生のご希望は、80~90㎝、それ以上大きいと額からはみ出してしまうからメーター級はいらないと言われたのですが、大阪湾のテンヤタチウオではレギュラーサイズの80~90㎝がなかなか出ないので、ちょっと焦りました。
でも、魚拓を取りたいという執念でしょうか、最後にご自分で理想のサイズを釣りあげ、めでたくお開きとなりました。
この日のタチウオがどんな形になって甦るのか、今から楽しみです。