かつて、ふたかみ山と呼ばれた二上山の麓、奈良県葛城市にある当麻寺へ寒ボタンを見に出かけました。ボタンには、春に咲くものと冬に咲くものがあって、ちょうど今が冬咲きのボタン(寒ボタン)が見ごろだと思って出かけてきたのです。
当麻寺のボタン園は、広大な境内の一番奥にある浄土庭園の中にあります。数は春ボタンの方が多いようですが、大小の石を巧みに組み合わせ極楽浄土を表現した浄土庭園のそこここで、蓑のような雪がこいに守られひっそりと花を咲かせておりました。
寒々とした冬色の庭に、淡いピンクや真紅の花色を見ると、心まで温まるようです。
また、重要文化財になっている楼門のそばに見事な枝垂桜があります。これが花をつけたら、どれほど見事になるか…。それを確かめに、もう一度春に来ようと堅く決心したのでした。