関西の沖釣り名人 今井浩次の「今日も釣り気分」

　魚偏に春と書いてサワラと読みます。だからといって春にしか釣れない魚ではありません。瀬戸内では春を告げる魚として知られ、僕の郷里の岡山では、この魚をことのほか珍重します。よく脂が乗った早春のサワラは、刺身にしても一級品ですし、西京味噌に漬け込んだ「サワラの味噌漬け」は僕の大好物でもあります。
　そんなサワラが神戸の須磨沖で釣れるから来ませんか、と明石の船宿から連絡をいただきました。沖釣り歴40年を超える僕でも、サワラだけを狙っての釣行は初めてです。サワラといえば海外へ遠征したときに釣ったカマスサワラやヨコシマサワラぐらいしか経験がありません。
　須磨沖の釣りは、ブランコ仕掛けと呼ばれるものに冷凍のイワシのエサを刺して狙います。エサを追いかけて自在に泳ぎ回る魚なので、間合いを広く取った胴突き3本バリ仕掛けで、タナも１０ｍ前後です。

　朝まずめのいい時間帯ですが、アタリがありません。先に操業を始めていた漁師に聞くと、今日は食いが悪いといっています。それでも朝まずめに時合らしきものが１回だけあり、３匹のサワラが上がりましたがアタリはそれっきり、それっきり、もお…。
　最後はタチウオのお土産を釣って帰港しました。悪かったのはこの日だけで、２回目の出漁では２ケタの釣果が出たそうです。釣れる日に出かけるって、ほんと難しいですね〜え。（泣き）