関西の沖釣り名人 今井浩次の「今日も釣り気分」

　イカナゴ漁が始まると、俄然、活気づくのがメバル釣りです。メバルはイカナゴが大好物なので、これからの時期、釣りあげたメバルは口からはみ出るほどイカナゴを食べていることがよくあります。
　イカナゴを飽食したメバルは、メタボと呼びたくなるほどよく太り、味も良くなります。魚って食べるエサによってうんと味が変わりますから。ですからこれから釣れるイカナゴを腹いっぱい食べたメバルが、僕は一番好きです。
　そんなわけで、まだ時期的には少し早かったのですが、淡路島の群家へメバル釣りに出かけました。夕まず目の時合いを釣るので、出船は午後１時と聞いていたのですが、淡路島へ渡ってみると濃霧に覆われてほとんど視界が効きません。ポイントが本船航路の近くなので、霧が晴れないことには出船は無理だといわれて３時間近く待ちました。
　出船できたのが午後３時、港から２０分ほど走って群家沖でようやく竿を出すことが出来ました。
　大小の人工魚礁を釣るのですが、昼間はガシラやクロソイしか釣れません。メバルが食い出したのは、四国の山波に日が沈み始めたころからでした。日が沈むまでは、シロウオのエサがよかったのですが、日が沈んで周りが暗くなってからは、アオイソメのエサばかりに来ました。時合いはほんの１時間ほどです、この間にバタバタっと釣れて、午後６時過ぎに竿を収めました。一度だけ４連で釣れましたが、あとはほとんど単発で、合計１３匹。数はあまり出ませんでしたが型はよく、全部２０㎝オーバーで最長寸は２９ｃｍありました。
　その日の夜、尿酸値が上がるのを覚悟でメバルの薄造りに肝を添えて食べました。ほどよい歯ごたえと旨み、これを食べるなという方が無理です。煮つけを食べている時もほとんど無言でした。メバルって、ほんと美味しい魚ですね。