関西の沖釣り名人 今井浩次の「今日も釣り気分」

　先日、三重県の石鏡へマダイ釣りに出かけたとき、護岸の上をのそのそと歩いているヤドカリを見つけました。どうやら刺し網に掛かったものらしく、役に立たない？ので捨てられたようです。
　大型のヤドカリで紅色をしているところから、よくイシダイ釣りのエサに使われるベニホンヤドカリではないでしょうか。
　ヤドカリの語源は、やはり「宿借り」でしょうね。成長するたびに何度も居宅を変えていくので、寄居虫と書くこともあるそうです。一生住める豪邸を持つことができず借家でないと生活できない可哀想な生き物ですね（笑）。
　ところで、ヤドカリのことをヤドカニと呼ぶ人がときどきいますね。確かにカニにも似ていますが、分類的には違う生き物です。あえて言うならエビとカニの中間の生き物かな。
　カニの仲間は、節足動物門・甲殻綱・エビ目・カニ下目ですが、ヤドカリは最後の下目がヤドカリ下目になります。また、カニという呼び名がついていますが、実はヤドカリの仲間という生き物も多いですよ。有名なタラバガニや花咲ガニ、イガグリガニ、ヤシガニなどもヤドカリの仲間なんです。