関西の沖釣り名人 今井浩次の「今日も釣り気分」

　大阪湾のテンヤのタチウオ釣りは、相変わらず脱出口が見つからず不振に喘いでおります。どうやったら釣れるのか答えが見つからないのですが、それなら見つかるまで通わんかい、とおしかりを受けても、やはり釣れないのです。
　そこで、この不振を脱却するために思い切りタチウオが釣れる場所をと鵜の目鷹の目で探していたら、やっと見つかりました。和歌山県の湯浅湾です。
　そこで、湯浅町栖原のあしのや丸へ出かけてみました。この船宿は先代からの付き合いで、現在の船長、芦内豊くんは、子供のころから知っています。おやじ譲りで釣りがうまいから何時も負かされるのですが、そんな彼の手ほどきを受けて午後4時過ぎから釣りが始まりました。釣り場は、おなじみのカルモ島のすぐ横です。
　ポイントに着いて1時間ほどは音沙汰がなかったのですが、午後5時半ごろからぽつぽつと釣れだし、午後7時を回るころには入れ食いになりました。サイズは70〜80cmが中心で、ときおり90cm近いのが混じります。
　湯浅湾のタチウオは、テンヤ釣りではなくサンマの切り身をエサにした食わせ釣りです。ですからテンヤの時とは少し誘い方が違いますが、食わせる部分での待ち方やエサの動かし方など参考にできる部分が多いのです。
　この日は、久しぶりに腕が痛くなるほど夢中になって釣りました。僕の隣で竿を出していた人は、80匹を超える大漁でした。僕と家内で釣った数も60匹以上です。たまにはこんな釣りも…そんな思いで竿を収めましたが、翌日の料理がどれだけ大変だったか。まあ、自業自得ですがね。