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関西の沖釣り名人 今井浩次の「今日も釣り気分」

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 昨日は、淡路島の郡家港から出船して、室津の沖でショウサイフグ釣りをしてきました。今年はサバフグがやたら多くて困りましたが、何とか取材になりました。
 沖に出て潮止まりのとき、アタリもないまま森田船長とよもやま話をしていると、
 「最近なあ、見かけたことない魚がよお取れるんよ。昨日も定置に入ったいうて持ってきたけど、誰も見たことないし名前も分からへん。黒い縞というよりは変則的な模様があって、カンパチに似とるんよ」
 この話を聞いて、僕はピンときました。間違いなくこの魚はアイブリです。
 僕も一度しか見たことがなく食べたこともないので、是非、もう一度お目もじしてみたい魚のひとつだったんです。
 スズキ目アジ科アイブリ属の魚で、英名はbiack banded amberjack 直訳すると黒い縞のあるカンパチの仲間、ということでしょうかね。
 地方名には、こんなのがあります。
 シホノオバサン。淀川長治流に表現すると、いいですねぇ、面白いですねぇ。
 シホとはカンパチの若魚であるシオのことでしょうね。で、シオよりはデカクなるのでシホノオバサンということになったのでしょうか?。でも、オジサンではなくオバサンをもってきたところに何か愛着を覚えますね。
 もともと南方系の魚で大阪湾でもときどき見つかるようですが、2010年に伊勢湾に面した鈴鹿市白子地区で30㎝ほどのアイブリが45kg近くも水揚げされ、話題になったことがあります。どうやら群れをつくる魚のようですね。
 魚に関して造詣が深い「ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑」によりますと、
 市場では、入荷は希。産地では雑魚として扱われる、とあります。
 名の由来は、ブリに似てブリにあらず、中間的なもの
 味の評価は、身が柔らかで白く濁って透明感はない。ただし、刺身にして味わいよく旨味、甘みとも十分ある。また、煮付けや塩焼きも上々とあります。
 一度食べてみたい魚のひとつですねぇ。